私たちの役割

「自立」に向けて

 ボランティアといういわば非日常の存在が、大船渡の日常に根付いてしまうとどうなるでしょうか。短期的に見ると、ボランティアがいることで解決される問題がある一方で、長期的に考えると、ボランティアが何かをし続けることで「大船渡の方々の手で復興を進める」体制を妨げる可能性も出てきます。復興の段階が進むにつれ、ボランティアが「やれること」と「やるべきこと」をこれまでより慎重に判断する必要があるのではないかと思います。

 

 また復興と同時に、少子高齢化をはじめとした地域が震災以前から抱えていた問題も現れてきます。難しいところですが極端な話、ボランティアが地域が元々抱える人手不足を補い続ければ、いつまでも根本的な問題が解決されない状態が続くのではないでしょうか。

 

よそ者ととして

 仮設住宅のコミュニティの中には、なかなか積極的に地域活動に参加することが難しい人もいれば、周りを巻き込むことが得意な人もいます。その全てをよそ者である私たちがサポート、フォローするには限界があります。また、自治や自立のことを考えると、例えば家にこもりがちな方を気にかけたりする役は私たちよりもご近所さんの方が適任のはず。

 私たちがコミュニティの中にいる積極的な人達を応援し(例えばはまっぺしや東屋建設のはじめの一歩をサポートするなど)、次はその人達がご近所さんを巻き込みまちを元気にしていく…住民の方同士が支え合うコミュニティが育つよう、それを引っ張っていける人達のサポートを行うこと、私たちよそ者のひとつの役割といえるでしょう。