ベンチづくり

「ベンチづくりを『手伝ってくれて』ありがとうございました」ではなく…

 ベンチづくりの主役は誰でしょうか?「私たちのベンチ作りを住民の方々がてっつだって下さった」というのでは、主役は私たちになってしまいます。「主体性を引き出す」という考えのもと、住民の方々が主役になって活動できる環境づくりを心がけました。

 

 例えばお膳立てしすぎないこと。次はこの作業があります、これをお願いします、と私たちが声を掛ければ、そこにいる方々が「次どうしようか」と相談し合うといったコミュニケーションのチャンスを奪いかねません。住民の皆さんが自由に工夫できる余白が大切になります。  


 ベンチづくりはぬり絵と似ています。ぬり絵の線が私たちだとしたら、色を決めるのはそこに集まった人達。決められた色を塗るだけなら自分ではなくてもいいし、きっとおもしろくないでしょう。「自分たちがつくった○○」は誇らしいし、気持ちがいいし、大切にしたくなる。○○はベンチでも、仮設団地全体でも同じことです。

 

 また、「このぬり絵、ここに線を描き足しちゃえばもっと良くなるよね」そんな風になった時に、私たちがぬり絵の線を引いていた意味が生まれるのかもしれません。

 

ベンチを団地内に設置

 作ったベンチは、普段の活動中に「あそこにあったらいいかもしれない」と各々が感じていた場所に運びました。団地内にはよく人が溜まりやすいベンチがあり、中にはベンチに座りきれない人数でおしゃべりをしている方々も。例えばそこにもう1脚ベンチがあれば、もっと多くの人が集えるはずです。

 

 2012年9月16日の時点では、(昨年の活動から合わせて)団地内に脚(6戸1棟につき平均2脚)に、友結ファームに脚のベンチが置かれています。