長洞地域公民館 夏祭り(8月19日)

長洞団地について

  • 市内最大の団地(308戸、約800人が生活)
  • 様々な地域からの入居者がいることや、規模の大きさを考えるとコミュニティ形成は大きな課題

クイズ大会でご近所さんとの距離を縮める

夏祭りの催し物のひとつとして、チーム対抗の○×大会が実施されました。

目的

  • 参加者同士が協力しクイズに答える

    …住民交流の機会、夏祭りへの主体的な参加

  • 長洞や団地のある猪川地区、大船渡市に関する問題を通して、それらに関する理解を深める(長洞団地にはいろいろな地域から人が集まっているため)

    …まちへの愛情、参加意欲が高まるきっかけに

 

概要

  • 5人でチームを組み問題に答える(できる限り知らない人同士で組む)
  • 問題は長洞団地の方々から募集する

 

 

クイズ募集

 まず、問題募集用紙を全戸に配布しクイズのネタを集めました。中には一人で5、6問アイディアを出していらした方もいました。

 

 また、団地内を回り直接お話を伺うこともしました。始めから「クイズの問題になりそうなものはありませんか」と聞いてもイメージしづらい様子だったので、普通の会話をする中でピンと来た時に「それって今度やるクイズ大会に使えそうですかね?」と投げかけてみたり、「問題を作るのに困っているので一緒に考えてもらえませんか」と素直に相談してみたりすることで、徐々に問題の数が増えていきました。

 


 また、大船渡や猪川地区、長洞に関する問題を作りたいと伝えると、「今はもうないものだし思い出しても仕方がない、わからない」といった反応をいただくことも。震災への向き合い方は人それぞれであることを改めて感じ、夏祭りに来た誰もが楽しいと思えるクイズ大会にしなければと思いました。

 

なかなかできないグループ…巻き込み上手な司会者さん

 クイズ大会が始まる前に会場にいる人達に「この後のクイズ大会に参加しませんか??」と呼びかけグループ組みを試みましたが、反応はいまいち。知り合いや家族とただ夏祭りに遊びに来ている時に、いきなり「皆さんでクイズやりませんか」と声をかけられ、「大丈夫です」と反射的に答える方が普通かもしれません。

 

 見かねた自治会の方(クイズの司会者の方)がベンチで食事している方々に声をかけはじめ、気が付くといくつかのグループが出来上がっていたのです。巻き込み上手なその方の奔走もあり、無事17組のグループが完成しました。

 

ふたを開ければ

 いよいよクイズ大会の時間になりました。ふたを開けると、クイズの参加者はもちろんのこと、周りにいる人達も含めた会場全体がステージに注目しクイズを楽しんでいる様子でした。「こっちじゃない?」「え~」といった会話があちらこちらから聞こえてきたり、答えが出るたび一喜一憂したりと、本当に盛り上がって楽しい時間でした。

 


 はじめは単純な「グループ」だったとしても、一緒に何かをすることで同じ方向へ向かう「チーム」へと変化していく、というのは、規模の大小あれどクイズ大会にも長洞団地全体の事にも当てはまることなのではないかと思います。

 

参加側から巻き込む側へ

 去年と大きく違う点は、長洞地域公民館(自治会)の存在です。昨夏はこのお祭りに参加者として来ていた人達の中から、今夏は運営側としてお祭りに関わる人達が出てきたのです。それはつまり、自分たちのコミュニティを自分たちの手で育てていくために必要な人や体力、組織が整い始めたということです。

 

 だからこそよそから来た私達はその主体的な活動をどういう形でサポートすべきか考える必要があります。

 

 また、二つの印象的な場面がありました。

 

 一つ目は、クイズ大会の司会者の方が、当初の打ち合わせに囚われない形でクイズ大会を進行していたこと。「頼まれたから」という感覚ではなく「一番この場が盛り上がる形で進行したい、自分たちの手で夏祭りを成功させよう」という気持ちでやっていることが伝わってきた瞬間でした。

 

 二つ目は、婦人部の方が漬物やお茶を訪れた人に配りながら声をかけていた場面です。普段は忙しい人も、この方のように仮設団地全体のことに積極的な方と顔見知りになることで、生活の安心感を得られるのではないかと思います。

 

 こういった方達が増えていけば、外部団体がコミュニティ形成に関わる必要が減っていきます。そういった意味で、その2つの場面はとても希望ある光景として映りました、去年よりも着実にコミュニティ形成が進んでいると感じられる夏祭りでした。